原子力エネルギーは使わない

2015年5月21日 12時40分 | カテゴリー: 活動報告

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経済産業省のエネルギーミックスに関する意見箱に意見を投稿しました。2000文字と、ちょっと長いですが全文ご覧いただき、ご意見をいただければ嬉しいです。世田谷区民がエネルギー源を選んで購入できる電力エネルギー政策をこれからも提案していきます。

「 2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で引き起こされた国土の放射能汚染と引き続いて起きた部分停電を含む電気供給の不安定化の実態を直視した場合、エネルギーミックスにおける原子エネルギーへの依存は極力下げることが長期的な日本の国土の安全とエネルギーの安全供給につながると考え意見を提出します。

  1. 原子力エネルギー依存の危険性

原子力発電の原材料であるウランは国内で調達することができず、更に使用後のウラン燃料の再処理技術の国産化も進んでいません。燃料の生産・調達や加工、輸送のプロセスではテロの標的となるという新たなリスクも抱えています。原子力は、供給面でも不安定なエネルギー源です。

また、福島第1原発事故の検証と総括がいまだなされず、責任の所在もあいまいな現状では、自治体等が住民の暮らしや地域の経済・産業を守ることは困難です。東日本大震災以来、日本周辺の地下構造が活発期に入ってきたのではないかという論もあります。更なる地震・火山等の対策を視野に入れた場合、原子力発電の再稼動には安全面での膨大なコストがかかります。

原発の稼動と延命ありきの骨子案(原子力エネルギー比率20~22%)は、国民の安全と健康を守る立場から非現実的で無責任な見通しに基づくものです。原子力発電は再稼動すべきではありません。

  1. 再生可能エネルギーを電源構成の主軸とする政策を

環境負荷が低く、国産エネルギーである再生可能エネルギーの供給力を増やし、2030年までに電源構成の少なくとも50%をまかなう目標を定めるべきです。

3・11以来の国民全体の努力により、例えば8月の総電力需要はh22年の9770億kwhからh26年の8735億kwhへと省エネルギー社会への変換が進んでいます。この省エネルギー技術の更なる向上と海外への発信・移転が、日本の成長の力となります。効率利用等によって現状より電力エネルギー需要を30%減らし、残りの35%(10%の既存水力+そのほかの再エネ25%)を再生可能エネルギーが担うことにより、化石燃料への依存を脱却しつつ、脱原子力依存が可能です。

再生可能エネルギーの導入コストは、世界的な導入の加速に伴い低下しています。再生可能エネルギーは、燃料の調達や加工等にかかるリスクも低く、安全対策や事故対応、環境対策等費用の面からも、中長期的にみて最も安価で安定したエネルギー源です。再生可能エネルギーの系統への優先接続・買取り・送電網の整備を義務化し、「接続可能量」というキャップの撤回など、自然再生エネルギー導入を促進する制度設計に向け、あらゆる資源を投入すべきです。

地域独占の巨大発送電一体型電力供給システムから、地域分散型の小規模発電と送電網の系統連係システムを新たな日本の電力供給のしくみにしていくことで、日本国内にある豊富にある再生可能エネルギーを有効活用できる形に電力供給システムの変換を進めることが必要です。

  1. ベースロード電源の考え方の問題点

エネルギー種別ごとの長所短所を比較する際には、発電時や使用時のみではなく、エネルギーのライフサイクル全体を捉え、環境影響や、廃炉・安全対策・廃棄物処理費用等を含めて評価するべきです。

火力発電の中で、CO2排出量が最も多い石炭発電を、安価な電源としてベースロード電源に位置付けていますが、再生可能エネルギーの供給力が増えた欧州の電力市場等では、燃料費や環境対策費がかかる石炭火力は価格競争力を失っています。CO2排出対策としても、火力発電の増設は避けるべきです。

原子力発電のコストは部分的にしか開示されていません。原発優遇策は維持され、CfD(差額決済契約)制度の導入や核燃料再処理への拠出金など、さらなる追加優遇策がコストに反映されていないなど、比較の整合性がありません。電源別コストを再評価し、国民負担の抑制について議論すべきです。

一方、再エネのコストと位置づけられる系統安定化費用や送電インフラ整備等のコストは、エネルギーの安定供給に必要な公共インフラのための費用であり、全体のコストと位置づけるべきです。

石炭火力や原発を「ベースロード電源」と位置づけることは、特定の発電事業者を優遇し、市場競争をゆがめるのみならず、安定供給、電気料金の抑制を目的とする電力システム改革と矛盾しています。持続可能で責任あるエネルギーシステム構築のために、石炭火力と原発を優遇し再生可能エネルギーを排除する考え方を改め、発送電の分離、消費者が電力源を選んで購入できる公正な電力市場の確立を早め、日本のエネルギーの対外依存を下げることもできる自然再生エネルギーの安定的供給と電力産業の構造改革を進めるべきです。

  1. 結論

現在の素案の比率を、更なる省エネルギー目標を掲げ30%の電力需要の削減を国民一致して推し進め、自然再生エネルギー55%以上(含む水力発電)、火力発電35%、原子力発電10%以下とするべきであると考えます。以上」