核兵器禁止条約発効おめでとうございます!

2021年1月22日、核禁止条約発効を心より歓迎します。声をあげ続けた,被爆者の皆様の勝利です。心からお祝いを申し上げます。

世田谷・生活者ネットは1983年の発足以来、世田谷区内の被爆者の方々と共に核兵器廃絶を求める活動を続けてきました。被爆ブラウスの寄贈をきっかけに始まった平和展から、世田谷区立平和資料館が実現するまで、平和を大切にする心を地元世田谷で育てていく事を区議会でも求め続けてきました。

世田谷区在住の被爆者の方々は、自らの体調不良ともたたかいながら、長く声をあげ続けてきてくださいました。心から敬意と感謝を申し上げます。この度、この被爆者の悲痛な叫びに世界が応え、核禁止条約発効に至ったことは、人々が声をあげ共闘することで、世界は変えられるということをも示しています。これまで努力を続けてこられた全ての方々と共に、この喜びを分かち合いたいと思います。

わたし自身も、羽根木公園で毎年開催される雑居まつりにおいては、多くの区民の皆さんと共に「核と戦争と暮らしを考える広場」に参加。8月の原爆投下記念日前後のピース・アクション、原爆写真展実施にも協力してきました。世田谷・生活者ネットワーク平和部会は、集団的自衛権容認の閣議決定された2014年夏以降、毎月第3木曜日、奇数月は三軒茶屋駅前、偶数月は下北沢駅前で、平和と民主主義、憲法に保障された人権の尊重ををテーマに街宣(せたがやピースアピール)を続けてきました。2021年1月21日は、コロナ感染症の蔓延防止のため、街頭でのアピールを中止し、替わってメッセージをこのような形で発信させていただきます。

唯一の戦争被爆国であり、戦争をしないという決意を込めた平和憲法を持つ国家でありながら日本国は、この条約に賛同していません。

2019年、区議会において、世田谷・生活者ネットワークは、2度にわたり日本国政府がこの条約に賛成し批准するよう国に対し意見書を提出の議案を超党派で共同提案しています。しかし、2度とも議会の多数決の壁に阻まれ否決されてしまいました。平和都市宣言をしている世田谷区として、この状況は乗り越えるべき課題です。

核禁止条約は、1928年のパリ不戦条約や1945年の国際連合憲章、冷戦終結後、世界の指針となった「人間の安全保障」と並ぶ、平和に向けて進む人類の一里塚(マイルストーン)、礎となるものです。核保有国とその傘の下にある同盟諸国の参加が、なお困難な課題となっています。核兵器による安全保障を転換する強い意志を示したこの条約が核兵器実戦使用の強い抑止力になることは間違いありません。

現日本政府は、核兵器廃絶という目標は共有しつつも、核禁止条約の禁止している「核の傘」へこだわり加盟も批准も逡巡しています。何が妨げになっているのでしょうか。アジアにおける緊張への不安でしょうか。私たちは、世田谷区において、今後も暮らしの中の平和のために活動を積み重ねながら、日本が、「核の傘」を脱し、協調、対話の外交で21世紀のアジアの平和のファシリテーターとなることこそ大切、と訴えを続けていこうと思います。

2021年の今、気候変動、そしてコロナ禍を経験し、これからの国際関係は、協調と連帯の理念なしでは世界の持続可能性を保つことができないことを、私たちは思い知らされています。死と分断をもたらす最大の、国際格差は「核の保有」です。核兵器禁止条約の発効は、多くの人々の共感と協力により分断を乗り越える希望をもたらしました。

「次世代に胸を張って手渡せる社会をつくる」これが私たち世田谷・生活者ネットワークの使命です。核兵器だけでなく、エネルギーを原子力発電に頼り、現場にヒバクシャを作り続けることも、生活と地続きの「核」をめぐる課題だと私たちは主張し続けます。地球規模で考え地域に根差して活動する(Think globally. Act locally.)ことが、今、必要です。

核兵器禁止条約発効にあたり、世田谷・生活者ネットワーク平和部会は一層力を入れ、若い世代の皆様と、生活に根差した平和活動に共に取り組んでいきます。

下北沢ピースアピール