≪社会的事業所の育成と障がい者の働く場の確保について≫
~第3回定例区議会 一般質問の報告から~
今定例会の一般質問で社会的事業所の育成と障がい者の働く場の確保について質問しました。生活者ネットワークは、障がい者の尊厳と社会参加には働く権利の保障が非常に重要と考え、知的障がいや精神障がい者が、正規採用の区職員として働けるための23区人事組合の制度改善を提案してきました。今年初めて、全ての種別の障害者に、定期採用試験の門戸が開かれました。しかし、今般、世田谷区において、障がい者雇用率の報告に、水増しとも取れる誤りがあったことに深い失望と怒りを感じます。
世田谷区役所は、世田谷区における事業所としては最大の雇用人数を抱える雇用主です。障がい者の雇用機会確保法に則した採用を拡大し、民間に求めている以上の雇用数と、働きやすい職場環境の整備を達成し、区内事業者の模範となることは区の責務であることを改めて認識すべきです。
そこで、常勤採用の計画的な取り組みや、区独自で採用できる非常勤、臨時採用、保護的就労や中間的就労などからのステップアップなど、様々な手法を駆使し、一日も早く、世田谷区役所の中に障がい者と共に働ける職場を作り、法定雇用率を達成すべきだと強く訴え、今後の見通しについて聞きました。
区側の答弁として、「不適切な事務処理による障害者雇用率の誤算定を行い、ご指摘のとおり、民間事業者に率先して障害者を雇用し、模範となるべき区の信頼を損ねた責任を感じております。」
「 現在、国からの依頼により平成29年6月1日現在の障害者雇用率の再点検の作業を庁内全体で進めており、この結果も踏まえ、今後の障害者雇用の取り組みを進めていくが、まずは正規職員の障害者採用について、特別区人事委員会の統一的な採用選考が今年度からは身体障害者に加え、知的障害者、精神障害者も対象となり、この統一選考による採用予定者数を拡大していく。
区では民間企業への就職に向けて、区役所での業務経験を積むことを目的としたチャレンジ雇用を実施していますが、こうしたチャレンジ雇用の拡大のほか、区独自の雇用についても課題を整理している。雇用率の早期の充足とともに、障害のある職員がその適性を活かせるよう、職務を切り出し、又は職域の拡大などをすることで、障害の特性に配慮しながら働き続けられる環境を整備し、信頼回復に全力で取り組む。」とのことでした。今後も決算特別委員会などで質していきます。