このHPで、3回に分けて視察の様子をご報告します。
13日の視察先は、八戸市。テーマは広告パートナー制度を活用した、税外収入確保の仕組みについてでした。
世田谷区でも、区のHPに広告を載せる、貸自転車ステーションにネーミングライツを導入するなど、税外収入増に向けて様々な取り組みを行っています。
八戸市も、各種広報媒体への広告の掲載や、スケートリンクへのネーミングライツなどで、平成17年度125万円程度だった広告などによる税外収入を、23年度は700万円台まで伸ばすことを目標に、事業を進めているとのこと。特に、各課など、広報媒体を制作する部署ごとに、経費削減や新たな収入増を図った場合、その年度に限り、新たに得た財源の半分の額を各課の裁量で使える、インセンティブ制度が、各部署の自主的取り組みを引き出していることが印象的でした。
また、広告パートナー制度は、市の媒体に広告を載せたい事業者が、事前に登録することにより、毎回の審査の事務量を減らすと同時に、広告掲載募集時に優先される制度でした。現時点で、この制度を使っての広告出稿は、全体の2割程度とのことでしたが、市広報への事業者のオープンで安定的な広告掲載に期待が持てる制度です。
このように、税外収入の増額に工夫を凝らす八戸市ですが、今回の地震で津波の被害も受けています。特に、漁港と海岸沿いの観光施設に、被害が集中していました。魚市場は、1階部分が流されたり、漁船が乗り上げたりしていた状況を写真で確認、津波当日のDVDを見ながら、漁港周辺をバスから見学しました。まだ、シャッターが津波の高さにへこんだままの倉庫などもあり、津波の力を見せつけられました。海沿いの道路は、復旧していましたが、国の天然記念物、蕪島のウミネコ繁殖地の横のトイレは、まだ津波の被害のまま、斜めにつぶれています。最大4.2mの津波が、この港を襲ったそうです。市内では、死者1名、行方不明1名です。DVDを見ると、市民の方々が声を掛け合い、冷静に避難し、第1波がひいたあとも、高台に残って安全確認ができるまで戻ったりせず、適切に避難行動を取っていたことが感じ取れました。普段からの津波対策が有り、緊急時の避難場所が身についていることが大切と実感しました。
被災された市民の皆さんの力強い復興をお祈りします。また、このような困難な中で、世田谷区議の視察を受け入れて下さった八戸市にお礼を申し上げ、八戸市の視察報告とします。
次回は、青森県の視察報告をお届けします。