区議会広報を区民の視点で

2月から3月にかけて、第一回定例区議会が行われ、区長提案の平成28年度予算案が、修正のうえ可決になるという、今までにない区議会となりました。

この修正は、従来の案にとらわれず本庁舎等の基本構想を考えていくのに必要な、既存庁舎の耐震性や保存可能性についての調査費用の当初予算への経常を認めないというもので、わたくしたち生活者ネットワークは修正に反対いたしました。しかし、自民党、公明党、F行革、希望の各会派と一人会派のすがや議員、ひうち議員が賛成し、この修正を加えたものが28年度の予算として成立したものです。

この結果は、すべての区民の生活に直結する決定であり、正しく区民の皆様にお伝えしなければならない第一回定例区議会のトップニュースです。

昨日、区議会広報小委員会と議会運営委員会が開かれ、今回の議会についての広報の大見出し、トップニュースをどう考えるか?について討議が行われました。実は、広報小委員会の正副委員長(自民・公明から選出されています)では、タイトル案が「平成28年度一般会計予算を修正可決、区長の議会軽視の言動を改める決議などを可決」となっていました。

「区長の議会軽視の言動を改める決議」とは?と皆さまびっくりなさると思います。

例えば、先ほど触れた、本庁舎問題です。昨年秋以降、議会から様々な提案があったのを受けて、区長は自説にこだわらず立ち止まり、今年度前半に区民からの委員と専門家による委員会を開き、この委員会により良い構想づくりを委ねました。私たち会派は、このように丁寧に区民の声を聴き、二者択一でなく、より良い第3の道を探る区政運営、参加と熟議、時間をかけて合意形成を大切にするやり方を支持しています。

「区長の議会軽視の言動を改める決議」に賛成した会派は、このような区長の区民の声を積極的に聞くやり方を、議会軽視と非難しているようです。賛成した会派は、自民党、公明党、F行革だけでしたが、この決議が可決されたのは事実です。

しかし、この決議は、だれに対する決議でしょうか?区長に向けてのものです。それも、議員の声をもっと尊重するようにという内容です。予算や条例のように区民生活に影響を与えるものではなく、「予算案の修正可決」に並べてトップニュースとして出すべきものではないと、広報小委員会に会派を代表して参加し高岡は、トップタイトルの修正を求めました。

民進社、共産党からもタイトルに関して修正の提案がありましたが、議論は平行線になり、議会運営員会に議席のある委員のみが挙手する形で多数決が行われ、正副委員長案が広報の文案として決定されました。直後の議会運営員会でも、更なる討議を求める声があったにも拘らず、委員長判断で即、多数決となり、広報のタイトルは決定しました。

予算の修正可決も全会一致で可決したものではないのですが、これは区民にぜひ知らせなければならないことで、タイトルにすべきものです。この決議は、過半数の賛成ですが、議会の総意ではありません。さらに決議の効力は、区民に対するものではないのです。あえて、トップタイトルにする必要があるのでしょうか?

区議会の運営こそ、少数意見を尊重し、丁寧な議論と合意の上に進めることが民主政治の根幹です。議会運営員会では、議決権のないオブザーバーですが、これからも主張すべき時にはキチンと発言し、区民のための区議会、区民への議会広報を求めていきます。