安全保障関連法案にNO!

6月24日の世田谷区議会第2回定例会最終日、「安全保障関連法案」の廃案を求める意見書を、区議会から国会と政府に出すよう超党派で提案。私は生活者ネットワーク世田谷区議団を代表し、賛成意見を本会議場で発表しました。世田谷区議会では、自民党・公明党・希望・無減連の反対によりこの意見書は否決されてしまいました。国会や政府に対し、対等で多角的な立場から意見を出せる地方自治法99条の規定を活かすことができず残念です。これからも平和な日本、平和な世田谷を守るため、市民の代理人として、必要に応じ超党派の活動にも参加し、声を上げ続けていきます。

以下、議場での発言内容の報告です。

国会前包囲行動にも参加

私が一番強調したかったことは、日本国憲法前文に掲げられた、恒久平和を求める宣言の主体は日本国民であり、この約束を政府に守らせるよう、地方議会こそが政府に対し、国民の声を伝えるべきだということです。憲法前文には「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」と書かれています。「政府の行為」つまり政権内の恣意的な政策判断によって武力行使が決定され日本国民が戦争に巻き込まれていく、戦前と同じ道を歩んではならないのです。

憲法99条は、憲法という最高法規の尊重と擁護を行政・立法・司法の公務員に対し求めています。そもそも、昨年7月の集団的自衛権の行使を容認する閣議決定は、歴代内閣の保持してきた憲法解釈の枠を大きく踏み越えた、一内閣の決定による解釈改憲であり、立憲主義の立場から許されないものであることは明らかです。さらに、今年4月、安倍首相が米国議会で「日米ガイドライン」を可能にする法整備を、国会審議に先立ち約束したことは、国会軽視であり、憲法の尊守義務にも違反した許しがたい暴挙です。日本の自衛隊員が、アメリカの世界戦略のコマとして命の危険にさらされるような事態を招いてはなりません。

法案の審議の過程で、武力行使が実行される事態がどのような場合かの、議論がされています。具体的事例を示すことを求めた野党側に対し、「政策的判断の中身をさらすことは出来ない」との答弁は、首相自ら、時々の内閣の政策判断により武力行使が可能になる法案であることを認めたようなものです。防衛に関して、特定秘密保護法の成立に続き、法の支配や国民による監視を緩めようとする、一連の意図を感じます。

 

衆議院憲法審査会の参考人質疑では、自民党推薦の長谷部氏を含む参考人3人全員がこの法案は違憲との発言をしました。「安全保障関連法案に反対する学者の会」への賛同者は5000人を超え、日本弁護士連合会は定期総会で「安全保障法制等の法案に反対し,平和と人権及び立憲主義を守るための宣言」を全会一致で採択発表しました。第1次安倍内閣において内閣法制局長を務めた宮崎氏までもが、「あまりにもひどい議論が行われている、政府見解をつぎはぎしこじつけている」と発言するなど、各方面の有識者・専門家からこの法案に疑いの声があがっています。

今後、日本が戦争に加担する時、兵士として前線に立つ可能性のある若者自身も反対の声を上げるなど、戦争経験者世代から若者まで幅広い世代からこの法案に対する疑問の声があがっています。6月20・21日最新の世論調査では、安全保障関連法案への「反対」は58・7%に上り、5月の前回調査から11・1ポイント上昇、国民全体に法案反対の声が高まっています。

地方議会においても、6月20日までに181もの自治体からこの法案に反対の趣旨の意見書が国会に提出されました。

専門家、国民、地方議会からの真剣な訴えに国会は耳を傾け、「安全保障関連法案」を廃案とし、一から議論をやり直すべき状況です。にもかかわらず、国会においては、衆議院での再可決も視野に入れたと言われる9月までの異例の会期延長が決定されています。もし、この世論に背を向け、数の力で法案成立を図るのならば、それは、日本民主主義の自殺行為です。