様々な支えを受けながら、親を見送る

私事ですが、昨日87歳の父を天国に見送りました。

退院に向けリハビリ中のころ

昨年の7月に脳出血で倒れ11か月の闘病、今週末に自宅に戻った直後でした。脳出血の半年前ごろから、早朝に突然仕事に行くといって一人で外出してしまう、自宅にいるのに「帰る」と言い出すなど変調が目立ち出していた父です。介護保険の利用手続きを済ませ、ケアプランを様々試してみている中昨年の7月、緊急入院となりました。認知症の下地があった上での脳出血で、意識のレベルは中々上がってきません。そんな中でも、「がんばってリハビリをしてお家に帰ろうね」と声掛けをすると、ニターッと笑う反応だけはあり、希望を持ってリハビリを続け自宅に戻ってきたのです。

入院している病院の医療関係者の方々を始め、退院支援を担当する医療ソーシャルワーカー、担当のケア・マネージャー、介護事業者、訪問看護、訪問医療など、高齢になって障害をもつようになった人を支える様々なサービスを利用し、在宅復帰に向けて工夫を重ねるこの半年間でした。息子の一人が介護初任者研修を受け介護を主に担う覚悟を決めてくれるなど、家族も皆で帰宅準備を進めてきました。

家族が担う在宅介護の実態の重さ、夕方6時から朝の8時までは家族が支える

寝かせきりにしないため、電動リフトもレンタル。退院翌日には、早速リフトを使って車いすに移り、家族と同じテレビ番組を見るなど家族の時間を取り戻すこともできました。福祉用品・機具を活用すれば、かなり重い状態の高齢者でも自宅に戻ることは可能な時代になっています。しかし、父の住む区では介護保険を使っての夜間介護・夜間の医療連携のサービスがなかったため、家族が夜の担当者を決め交代で夜の痰吸引をする覚悟がなくては自宅に高齢者を戻すことができません。写真のような当番表を作り、娘の私と体力のある二人の20代男性の孫が交代で父の見守りをできる体制を組んで、父を自宅に迎え入れました。

世田谷区では実施されている、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービスがすぐ隣の区であっても利用できないのはショックでした。高齢者福祉や介護保険のサービスを地域で暮らす方たちのために、より使いやすいものとして行く必要性を実感する体験でした。父の闘病、介護、死を通して様々なことを学ばせてもらいました。ご助力いただいたすべての方に感謝申し上げるとともに、この経験を区政にも活かしていきたいと心に刻んでおります。