市民一人ひとりの問題意識から、災害に強いコミュニティを

東京都直下型地震被害想定を、生活継続に活かす

東京直下型地震の被害想定の見直し結果が、4月18日に東京都から発表されました。被災予想分布図の世田谷区のあたりはと見ると、木造家屋の倒壊や延焼を防ぐことが、減災の鍵だということがわかります。

私たち人間には、起こる地震の規模を変えることはできません。今回、より厳しい予測を立てたことで、行政としても、積極的な対処ができる論拠ができました。世田谷区の木造住宅の耐震診断の補助制度や、耐震化の補助などの制度も、ぜひご活用ください。
今年は、世田谷区でも、地域防災計画の改正が予定されています。私たち生活者ネットワークは、この新しい想定を視野に入れつつも、想定にとらわれない、生活実感にもとづく具体的な災害対策を提言していきます。

2月の第1回定例議会で、在宅避難者の問題について質問をしました。世田谷区の人口は、約88万人、家屋の倒壊などで避難所に入居する区民は、2月時点の想定で、最大18万人、今回の想定では、22万人です。残りの約70万人は、様々な形の困難を抱えつつ、自宅で生活を継続することになります。今、企業などで、災害時業務継続プランの作成が行われています。各家庭でも、災害時生活継続プランを考えられてはいかがでしょうか。災害直後の家族の連絡方法や、非常持ち出しの準備にとどまらず、災害後1〜2週間の間に何が起き、どのように生活を守っていくか、食糧、エネルギー、水、そしてトイレなど、具体的にイメージして見てください。
特に、トイレの問題は深刻です。避難所やマンホールトイレを整備した公園などでも、仮設トイレの衛生的で安全な運営は大きな課題です。例えば、断水になっても、近所から井戸水の提供を受ければ、自宅のトイレが使え、自宅で生活できる可能性が増します。災害に強いコミュニティづくりは、一人ひとりの、身近で具体的な課題を、声を掛け合って解決していくことから始まります。

「歳をとっても、障がいを持っても、さらに災害にあっても、住み慣れた家で暮らし続けたい。」そんな、当たり前の願いを実現するために、今後も活動を続けて行きます。