市民の力で放射能対策 

放射線量の測定と除染方法の実験

7月11、12日の2日間にわたって、世田谷生活者ネットワークで購入したガイガーカウンターを早速使い、放射線量を測るワークショップを羽根木の自宅で行いました。
参加者は2回合わせて7名、ガイガーカウンターを使うのは、私も含め、皆初めてでした。1mの高さが測れるひもに、重りを付けた棒を用意することから始め、いろいろやり方を工夫して、測定しました。
計測に使ったのは、香港製、松紅社販売のSH86-JPという器種です。特長は、測定間隔が1秒と非常に速いこと。みるみる数値が切り替わっていきます。今回の計測では、10秒ごとに数値を10回とり、最大値と最小値を除いた、8個のデータの平均をその地点の計測データとすることにしました。

測定結果は、

11日計測

高岡宅 リビング  1m 0.13μSv/h  
高岡宅 庭の池   1m 0.15μSv/h 水面近く 0.12μSv/h
   玄関タイル   1m 0.14μSv/h  地面近く 0.12μSv/h
羽根木緑地 階段  1m 0.12μSv/h 地面近く 0.15μSv/h

12日計測

高岡宅 リビング  1m 0.10μSv/h
羽根木公園 
東京都計測地点  1m 0.14μSv/h 地面近く 0.12μSv/h
草地の広場     1m 0.15μSv/h 地面近く 0.16μSv/h
リードアップ処理後 1m 0.12μSv/h 地面近く 0.11μSv/h

ガイガーカウンターでの計測では、自然放射線も読み取り数字に含まれてしまうため、都や区の発表するシンチレーション式計測器での値よりは、高くなると言われています。例えば、東京都が6月21日、羽根木公園で計測した値は、0.04でしたから、計測器の方式による差は、0.1位有るかもしれない、ということになります。また、この器種自体の誤差も、±15%あるということです。
それらを勘案した上で、このデータを読むと、予想以上に低めと言えます。例えば、高岡宅のリビングですと、年間放射線被曝量は、大体1ミリシーベルト位になる計算です。

高岡宅が低いのは、庭木がたくさんあり、5月に植木屋さんに刈り込みや、下草の処理をしてもらったためかもしれません(処理してもらった下草などが、ごみ処理場に持ち込まれ、灰の放射線量の上昇につながっているのかと思うと、頭の痛い話ですが)。地面近くの方が、少し放射線量が低い理由はわかりませんが、この値では、タイルを清掃して大きく放射線量を下げるのは、難しいと感じました。

12日には、代田にお住まいの柿沢さんが、リードアップという微生物の培養液をお持ちになり、水の放射能を下げるのに成功したデータなども、見せていただきました。
羽根木公園に移動し、放射線量がやや高い草むらで、リードアップの液を噴霧する前後の放射線量を測ってみました。誤差範囲とも見られる微妙な差ですが、数値が下がっているような計測結果になりました。

まだまだ、放射線の除去方法は確立されていません。今のところ、除染と言っても、校庭の土を削るなど、放射性物質を健康被害が起こりにくい所に移動しているだけの状態だと感じます。結果、大量の放射性廃棄物ができてしまい、処理の行き場もない状況です。もし、微生物によって放射性物質のエネルギーを分解し、無害化できるなら、すばらしいことだと感じました。

参加された方の感想から
・ガイガーカウンターを初めて見ました。とにかく情報が少ないので勉強していきたい。
・ガイガーカウンターの使い方を知ることができ、参考になった。
・シーベルトという単位が身近に感じられるようになった。測定結果は予想より低くかったが、安心していいのやら疑問。
・幅広く調べて、実態を把握することは必要だと思う。計測は継続が必要。

これからも、このような計測会を何回も開いていきます。ガイガーカウンターを持って(リードアップも持って)、放射線測定に来て欲しいという方は、お気軽に、世田谷・生活者ネットワーク事務所までお問い合わせください。