こんな時にも、菜の花は咲いています

GMO調査を今年も

地震と原子力発電所の大事故で、東京都民の食品の安全は、生産者や物流に携わる皆さんをはじめ、社会全体の無事故へのたゆまぬ努力の上に成り立っていることを思い知らせられる毎日です。
一歩立ち上がるため、自分のできることを自分のいる場所で、一所懸命に努力して下さっている皆さんに敬意を表します。
今、私にできることの1つとして、毎年実施している自生ナタネの遺伝子組み換え調査に協力しました。

三寒四温と言いますが、確かに春は近付いています。ご覧の通り、井の頭線の土手や線路端には、菜の花が咲き始めました。花粉の飛ぶ季節は、つらい花粉症の季節でもありますが、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」のナタネ調査の季節でもあります。
製油用の遺伝子組み換えナタネが、輸入港から工場までのルートでトラックなどからこぼれ落ち自生していることは、すでに国立環境研究所などの調査でも明らかになっています。また、2010年の研究では、雑草のカラシナなどに、除草剤に強い性質が交雑によって移っていることも指摘されています。今まで5年間、環7と井の頭線の交差するあたりの土手に生えるナタネを調査し、毎回遺伝子組み換えでないことを確認して来ました。今回も簡単な試薬でのスクリーニング調査で、遺伝子組み換えの可能性はなさそうだと確認できました。
昨年はCOP10もあり、生物多様性の保護や、遺伝子撹欄を起こすような外来種や商業作物の問題が注目されました。それでも、「儲かる作物・種子ビジネス」としての遺伝子組み換え作物の利用は拡大の傾向にあります。

今回、原子力発電所の事故を見ても、最先端と言われる科学技術の持つ落とし穴が露呈されました。
私は、遺伝子組み換え技術を食品に使うことに反対です。花粉の飛散による交雑で、除草剤の効かないスーパー雑草ができてくることは目に見えています。このために、GMOナタネの調査は花から実が出来てしまう前の早春の時期に実施されているのです。
孫の孫の孫まで安心して幸せに暮らし続けるために、今日できることを見つけて、ご一緒に、少しでも良い世田谷を子どもたちに引き継いでいきましょう。

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